ひと月の妹
契約結婚が決まって その相手の名前が
「羽島みかん」さんだった。
きっと息子は大喜びで契約を本当の結婚話にするだろうと
思っていたのに、なぜかそうはしないと言い出したらしい。
おかしいと思った透会長は『羽島みかん』さんを呼びだしたらしい。
確かにそっくりだが、本物の羽島みかんに会って会話していた透会長は
彼女に似ているが違う人だとすぐに解ったらしい。
息子も契約結婚は奨めるが籍を入れないと言う事と合せて考えても
何か事情があるのだろう。
その後、結婚式で紫藤星(アカリ)さんと少しだけ
挨拶をして、そこでどうやらバレていたらしい。
それから半年経ち、紫藤司さんが羽島みかんさんを連れて帰り
息子の圭さんが仕事を引き継いで帰国し、君と入籍をした。
「・・・」
「星(アカリ)さん、君にもいろいろ事情があるのだろう。」
「僕らは息子に可愛いお嫁さんが来た!」
「それで喜ばしく一緒にご飯を食べたい」
「それで君を呼んだんだ」
「解るね」
「はい、ありがとうございます。」
「圭から報告があるまで僕らは知らないフリをしているよ」
「反対は少しもしていないので二人、今後も仲よくやってほしい」
「佐々木会長、ありがとうございます。」
「圭さんは、あなたが本気で好きなの、だから仲よくしてあげてね。」
「はい」
「次にみんなで会うときには、
お義理父さん、お義理母さんと呼んでもらうよ」
わたしは頷くしかできなかった。