ひと月の妹

佐々木圭さんはわたしに・・・

「君も新婚旅行に行きたいですか?」と聞いてくれた。

(わたし達の関係はまだ、秘密なのに・・)

「わたしが働き始めたら、どこかでうっかり出会って

意気投合して恋に堕ちて、ふたりは意気投合して現地で

結婚するんでしょう?」

「新婚旅行はそれからじゃないの?」

「世界に買いつけに行くのを新婚旅行にすればいいんじゃない?」

「それまで待ってくれるのか?」

「もちろん、私たちは、どんなことも急がないでしょう?」

「入籍は早いと思うけどね・・・」

「ねぇ、圭さん、わたし聞いてみたいことがあるんだけど?」

「急に、どうした?」

「あなたの過去に付き合ったことが

ある恋人ってどんな人だったの?」

「・・・」

「なぜ、そんなことを言い出すんだい?」

「兄さんとみかんさんの結婚式で恰好いい圭さんを見てたら、

あなたはどんな人と付き合ったことがあるのかな?」と、

「紫藤司と僕を見て、君は僕の方が恰好いいと思ったのか?」

「そこは問題にするとこ?」

「もちろん、大事な事だろう」

「ええ、恰好いいと思ったわ」

圭さんは、私を抱きしめる。

 



 
  

 

 

 

 

 

 

 
< 248 / 302 >

この作品をシェア

pagetop