ひと月の妹
佐々木圭さんはわたしに・・・
「君も新婚旅行に行きたいですか?」と聞いてくれた。
(わたし達の関係はまだ、秘密なのに・・)
「わたしが働き始めたら、どこかでうっかり出会って
意気投合して恋に堕ちて、ふたりは意気投合して現地で
結婚するんでしょう?」
「新婚旅行はそれからじゃないの?」
「世界に買いつけに行くのを新婚旅行にすればいいんじゃない?」
「それまで待ってくれるのか?」
「もちろん、私たちは、どんなことも急がないでしょう?」
「入籍は早いと思うけどね・・・」
「ねぇ、圭さん、わたし聞いてみたいことがあるんだけど?」
「急に、どうした?」
「あなたの過去に付き合ったことが
ある恋人ってどんな人だったの?」
「・・・」
「なぜ、そんなことを言い出すんだい?」
「兄さんとみかんさんの結婚式で恰好いい圭さんを見てたら、
あなたはどんな人と付き合ったことがあるのかな?」と、
「紫藤司と僕を見て、君は僕の方が恰好いいと思ったのか?」
「そこは問題にするとこ?」
「もちろん、大事な事だろう」
「ええ、恰好いいと思ったわ」
圭さんは、私を抱きしめる。