ひと月の妹
真っ暗な部屋に獣が二匹
『黒い瞳と赤い瞳』
どこまでも欲望が這い回る
水音はどこからか聞こえていて
いつまでも途切れる事はない。
「泣いているのか?」
「なんのためにお前は泣くんだ?」
「全部解ってるんだろう?」
「オレがどんな人間か」
男は女の手を放さない
女は男の瞳をただ見つめている
「おまえ、似てるな」
「オレのためか・・・」
「おまえの事が・・・嫌いじゃないのに・・・」
「おまえをこのまま、そばに置けないだろう・・」