ひと月の妹
紫藤佳代子さんに呼びだされ
卒業後の事について聞かれた。
「まずは仕事を覚えます。みんなもこれまでは
学生だったし、ちゃんと軌道に乗るか始めてみないと・・」
「星(アカリ)さん、佐々木財閥の
佐々木圭さんの会社の傘下に入るの?」
「これは、どういうことなの?」
「兄さんの結婚式が縁で彼とも私たちの大学の仲間が仲よくなりました。」
「そういうご縁もあって、佐々木圭さんが若い人たちとも仕事をしてみたいと
言って下さり、このプロジェクトに佐々木財閥が
参加をして下さることになりました。」
「星(アカリ)さん、紫藤家には関わる気はないのね?」
「お母さま、司さんもみかんさんと結婚をされました。」
「これはもともとは星(アカリ)ちゃんの夢でした。」
「大学のみんなとの夢でもあります。」
「日本にもお店はあるのでしょう?」
「あなた、そこで仕事をしたらいいんじゃないの?」
「わたしはここを離れたいです。」
「司さんとみかんさんが結婚してもあなたは妹であり、
彼らと仲よくすべきでしょう。」
「外国へ行っても仲よくはできます。」
「わたくしが退屈じゃないの」
「わたしに耐えろとおっしるのですか?」
(わたくしもそうだったもの、あなたもそうすべきだわ)
「司さんはみかんさんと結婚なさいました。」
「わたしはおふたりの邪魔をしたくありません。」
「わたしがいて良い事はありません。」
「幼馴染なだけのあなたがいても何の邪魔になるのですか?」
「おばさまは、司さんが一番大事でしょう?」
「わたしが居なくなるのが彼の意思なら
わたしを止めたりはなさいませんよね?」
「司さんの意思?」
「それは、どういうことなの?」