ひと月の妹
部屋に戻るとマンションに司さんが来ていた。
「兄さん、マンションに来るのなら
今後はみかんさんと一緒に来てよ」
「おふくろにオレの記憶が戻った話をしたんだな・・」
「そういう約束だったはずよ・・」
「紫藤佳代子さんがめんどうを言い出すのなら
記憶が戻っていることを話すと・・」
「日本にも店を作るのに、行くのかフランスに」
「それが、星(アカリ)ちゃんの夢でもあるのよ。」
「他の人も関わっている、みんなの夢なのよ。」
「だからって外国じゃあ、顔を見るのは簡単じゃなくなる・・」
「兄さん、みかんさんと結婚したのよ。」
「もう、お互い違う道をきちんと生きるべきじゃないの?」
「その方がいいのよ」
「その答えは気にいらない」
「オレが求めればおまえは今もオレと寝るだろう?」
「兄さん・・」
「兄さんは結婚したのよ。」
「わたしは、みかんさんを傷つけたくないわ」
「何も知らない彼女を傷つけるの?」
「自分で選んだ答えに責任を取ってよ」
兄さんは、マンションを出ていった。