ひと月の妹
秘密は続く4
前園を下がらせて・・
「違うじゃない・・・」
「わたくしと違うじゃない・・・」
「全然違うじゃないの」
紫藤佳代子は独りで涙を溢れさせていた。
「司さんがみかんさんとずっと付き合っていたなんて」
「実らない片思いだなんて勝手に思っていて」
「麗子の娘なのよ、やはりわたくしとは違うのよ」
(どこまで言っても麗子に勝てない気がするわ)
「麗子の遺伝子はどこまでも殿方を虜にするんだわ」
「邪魔をしてあげたのに・・・なにもかも無駄だったのね」
子供の頃から、わざと司さんのそばにみかんさんを置いたの
年頃のあの子たちが恋に落ちないように
わざと邪魔をしているつもりだった。
わたくしはうまくできていると思っていたのに・・
それなのに・・・わたくしには誰も教えてくれず
ふたりはちゃんと年頃に恋をしていたのだ・・・
(わたくしには恋が解らない・・・)
優一さんは麗子を選び、麗子に片思いをしていた
司さんの父である紫藤恭一さんにお金でわたくしと結婚をさせた。