ひと月の妹
紫藤恭一さんと結婚をして
赤ちゃんの頃から美しい司さんが産まれた。
自慢だった。
わたくしが産んだ とても綺麗な男の子
少しずつ、育つ中でわたくしは思いついた。
麗子の家に産まれた 同じ年の可愛らしい
みかんさんをそばに置いて 年頃の子供たちが
恋に落ちてしまわないように 邪魔をして
違う人と結婚させようと・・・
事あるごとにみかんさんを呼びだしては
司さんと付き合わないように幼馴染を超えないように
目を光らせてきたつもりだった・・・
(わたくし、馬鹿みたいだわ・・・)
おとぎ話に出てくる悪い魔女のように
邪魔をして、それが上手く行っているだなんて
勝手に思い込んで一人で満足して喜んでいただなんて・・・
紫藤佳代子はやっと涙を止める事ができたのだ。
(馬鹿みたいだわ、わたくしのこれまで)