ひと月の妹
ホテルの一室に呼び出し
ふたりだけで会った。
最初に会ったとき
まるで待ちわびた恋しい
恋人に会ったような気分だった。
仕事は順調
おふくろが持ち出すであろう
政略結婚で構わないと思っていたのに
心が動かされる相手ならば
体も勝手に動き出すのだ!
真紅の薔薇を手に入れ
モノクロのような自分の世界は
輝きに満ち溢れた。
「ひと月の妹」
ヒトツキ、ひと月、一月、一突き
まるで心臓に矢を射られたように・・・
時が過ぎ、その人がそばにいる幸せ
それが他の人間のそばにあるのは
我慢できない。
漆黒の闇の中にいるのは
もう耐えられない