ひと月の妹
星(アカリ)さんがフランスへ旅立ち
向こうで仕事を始めた
彼女は転々と落ち着かず
様々な国々を周っていた。
仕事は上手く行っているらしい
季節は流れ
一枚の絵ハガキが送られてきた。
佐々木財閥の御曹司の佐々木圭さんと結婚したと言うのだ。
向こうで意気投合して気が合って、現地でそのまま入籍をした。と
書かれていた。
「司さん、星(アカリ)さん、結婚したそうよ」
「これを見て」
「驚いたな」
中指の友達の正体はこいつだったんだ・・・
オレは絵はがきを見ながら
すべての事が繋がった気がした。
オレが追及しないでいた正体
佐々木圭がオレにみかんを返したがった理由
なぜ、みかんに手を触れていないのか・・
あいつが欲しかったものは本物のみかん
「あいつは、おまえを学生の頃から好きだった」
(オレは本当は知っていたよ)
だから、オレは先にみかんを捕まえた
あいつが待たなければならない学生の身分だったから
(大学を出ても、変わらずにずっと好きだったんだなぁ~)
佐々木財閥の佐々木圭は本当はイケメンだ
あの学校でなかったら、その人生は・・・
女子の列が絶えなかっただろう・・
あそこの両親はうるさくないくせに学校にだけうるさかった。
あの男は自分のイケメンさを表に出さない
(おまえにお似合いだよ。)
学生時代に佐々木圭の気持ちを知っていたけど
二人が見つめ合わないように、知り合わないように
そっと邪魔をしていたのはオレだった・・・
彼女はオレしか見ていなかったから・・・