ひと月の妹
(生命力)

オレが高校生2年生の頃だった。

おふくろが許婚を寄こした。

いきなりだった。

病気がちで細いだけの女の子だった・・・

オレはみかんや星(アカリ)のように

強く生きていて生命力に溢れた二人と

居るのが心地よかった。

特に星(アカリ)・・・

あいつは生命力が美しく溢れていた。

ある日、部屋のソファーで寝ている

あいつの可愛さにオレの頬がゆるんだ。

眺めても眺めても飽きない・・・

オレの可愛い妹だ。

オレはソファーに駆け寄って

座って妹の寝顔を静かに見ていた。

オレは・・・

妹のくちびるをじっと見ている・・・

その唇に・・・

ブルブル

妹だぞ!

近づくなんてありえない・・・

怖かった・・・

自分が何を考えているのか・・

ただ怖かった・・・




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