ひと月の妹
俺がみかんを「自分の婚約者」
だと決めつけるのには
いくつかの理由が挙げられる。
俺がみかんに話してないことが
いくつかまだあるからだ。
羽島みかんを調査したら
俺の家と遜色ない財閥の娘だった。
この経歴で俺の家と
兄妹の縁を結ぶ理由など
ひとつも見つからなかったのだ。
そして金持ちの子供が集まる学校!
同じ年齢のみかんが通った学校
俺が通った学校
幼、小、中、高、大、全部同じ一緒の学校
アルバム見るだけでも
ほぼいつも仲よく隣で一緒に並んでいる
真紅の薔薇のドレスの女は
どう見ても俺の幼馴染
なのに あの女は俺を
「紫藤司さん」と呼ぶんだ!