ひと月の妹

もう一人のみかん


仕事中 俺の機嫌がすごく悪くなると

秘書が果物のみかんを差し出してくる。

「どうしてもご機嫌が直らないときは

これをご覧になると司様は和まれますよね?」

(果物のみかんごときで?)

「ひと月の妹」が現れたことで

これまでの果物のみかんを

秘書たちに差し出される理由の

よくわからなかった謎が解けた気がする。

俺は果物のみかんが好きなのではなくて

「みかん」から思い浮かべることのできる人物

つまりは「ひと月の妹のみかん」

の事が好きなのだと・・・



仕上げは上々

もう一人のみかんは、もうすでに

名前さえも違うのだ。

ここで思い出していただきたい

「人魚姫のストーリー」を

人魚姫は末の妹だったことに

わたしが誰だかおわかりになりましたか?

 

 
 
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