ひと月の妹

目を覚ますと見慣れぬ天井が見えた。

誰かの気配に気がついて

そちらに目を向けると

司さんのお母さんの紫藤佳代子さんがいた。

「みかんさん、気が付いたのね。」

「私が誰だか解る?」

「おばさま、わたし?」

「あなた、事故に遭ったのよ」

「みかんさん、落ち着いて聞いてちょうだい。」

「星(アカリ)さんが亡くなったわ。」

「そんなことって・・・」

「うっ、嘘ですよね?」

「司さんがスゴク ショックを受けてしまったの」

「司さんは、妹の星(アカリ)さんをとても大事にしていたから」

 
「みかんさん、司さん、記憶がないのよ。」

「えっ?」

「あなたの記憶がすっぽりとないのよ!」

「わたしのですか?」

 

 

 

 
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