ひと月の妹
今は兄となった紫藤司さんと妹として過ごすわたし。
兄と妹を無難に過ごす日々に
紫藤佳代子さんは
わたしを呼びだした。
「司さん、落ち着いてきたわ。」
「そうですか。」
「あなたに話すべきかどうか?」
「何ですか?」
「みかんさん、やはり聞いてちょうだい。」
「学生の頃、あなたに言ったわよね。
幼馴染なら許すけど お付き合いはしないでちょうだい。と」
「・・・」
「星(アカリ)さんとあなた姉妹なの。」
「え?」
「みかんさんと星(アカリ)さんが
よく似ているのは血が繋がっている
本当の姉妹だからなの。」
「あの・・・司さんは?」
「司さんは知っているのですか?」
「いいえ、司さんは知らないわ。」