午前四時のフェアリーテイル
「お前、本気で言ってんのか?」
そう口にしたけどすぐに愚問だと思った。
こいつが嘘や冗談の類を言うわけがない。
案の定凛子は頷いて、ずんずん突き進んでいく。やがて立ち止まってどうしたのかと思ったら、「ここ」と言った。
顔をあげると「星見台入り口」の文字が書かれた寂れた看板が白い街灯に照らされている。
おそるおそる見上げるとそこには暗くて不気味な山が聳え立っている。ここまでの道のりには古びてはいるけど街灯の明かりがあったが、流石にここからはないだろう。
風が吹き抜けて、森の木々が揺れ葉の擦れる不気味な音が聞こえて思わず足が止まる。
立ちすくんでいる俺をよそに、凛子はスマホを取り出すとライトをつけて懐中電灯代わりにして登りだした。
「待てって、おい!」
俺も後を追うようにして山を登る。
登るとは言っても、本格的な山登りではない。参道のようにちゃんと道があり、いくつもの階段を登っていくのだ。
いくつもの階段のような道を凛子は真っ直ぐ突き進んで振り返りもしない。
どうしてこいつはいつも真っ直ぐなんだろう。
何がこいつを突き動かすのだろう。
決して振り返らないその後ろ姿を見つめても答えはなかった。
いくつもの階段を登って、ようやく凛子は足を止めた。そして空を見上げる。
追いついて隣に立つ。
登り切った先には少し開けた場所があった。星見台と呼ばれるところだろうと思った。
あいつが何も言わずに空を見上げるので、俺もつられて見上げた。
空は、満点の星空だった。
そう口にしたけどすぐに愚問だと思った。
こいつが嘘や冗談の類を言うわけがない。
案の定凛子は頷いて、ずんずん突き進んでいく。やがて立ち止まってどうしたのかと思ったら、「ここ」と言った。
顔をあげると「星見台入り口」の文字が書かれた寂れた看板が白い街灯に照らされている。
おそるおそる見上げるとそこには暗くて不気味な山が聳え立っている。ここまでの道のりには古びてはいるけど街灯の明かりがあったが、流石にここからはないだろう。
風が吹き抜けて、森の木々が揺れ葉の擦れる不気味な音が聞こえて思わず足が止まる。
立ちすくんでいる俺をよそに、凛子はスマホを取り出すとライトをつけて懐中電灯代わりにして登りだした。
「待てって、おい!」
俺も後を追うようにして山を登る。
登るとは言っても、本格的な山登りではない。参道のようにちゃんと道があり、いくつもの階段を登っていくのだ。
いくつもの階段のような道を凛子は真っ直ぐ突き進んで振り返りもしない。
どうしてこいつはいつも真っ直ぐなんだろう。
何がこいつを突き動かすのだろう。
決して振り返らないその後ろ姿を見つめても答えはなかった。
いくつもの階段を登って、ようやく凛子は足を止めた。そして空を見上げる。
追いついて隣に立つ。
登り切った先には少し開けた場所があった。星見台と呼ばれるところだろうと思った。
あいつが何も言わずに空を見上げるので、俺もつられて見上げた。
空は、満点の星空だった。