~終わり近き場所へ~

 (クスクスーーー)



 少女の陽気な歌声が。



 (ひ~とり消えて、また消える♪)



 その歌が聞こえて数分後。



 その部屋には一人しか居なくなった。



 「な、何なんだよ?」



 (は~さ~み~でちょん切って~♪)



 そう聞こえてきたときには、もう男の顔は



 色を変え始め、



 青色になっていた。



 ―グサッ・・・ブシュッーーー!!!!



 そんな中、男の首に何かが刺さった。



 ハサミだ。



 そのハサミは、中をえぐりまわすように



 動き出す。



 ―グチュッ・・・ニチャッ



 「あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”あ”あ”あ”あ”・・・・」



 獣の唸り声のような叫びが部屋に木霊する。



 そして、悲劇は終わることなく



 侵食し続ける。



 部屋には、紅色の液体と、肉の塊が滴っているだけ。







 END
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