~終わり近き場所へ~
「はぁ・・・・・。」
若い男が公園のベンチに腰を下ろす。
男の名前は、矢川。
「ん?こんなところにこんな花あったっけ?」
彼が手にしていたのは、あの華。
悪魔の華。
(くすくす・・・・・・)
不意に笑い声が聞こえる。
「だれだ?そこに誰かいるのか?」
声を潜め、笑っている相手に声を掛けてみる。
(くすくすくす・・・・・あははっあははっはは・・・・)
その笑いは、だんだん大きく、狂ったように響き渡る。
「な、なんだ?」
この声は、誰にも聞こえない。
華を見つけた彼にしか聞こえるはずもない声。
(あはははははっははくくくくくっ・・・・・・)
そして、彼にしか
見えない。
「っ・・・・・うぁ・・・・・うえっ」
彼がみたのは、
人の肉をほおばりながら笑っている女。
-ぐちゃっぐちょっバリバリバリっー
それをみて、
彼女は狂ってる。
早く逃げなくては。
とそう思った。