~終わり近き場所へ~

小さな復讐者


 恐怖はまだ終わる事を知らない

 

 動き出した歯車は音を奏で



 永久に回り続ける



 少女は眠る。



 冷たい墓の前で



 母の温もりをかすかに感じながら



 「譲ちゃん、こんなところで寝ちゃだめだよ。」



 ふと上から声がする。



 少女は起き上がり、



 声のするほうを向く。



 そこに居たのは



 母を殺した男。



 恐怖に震えるからだと裏腹に



 少女の心は



 男への復讐を誓った。



 「お母さんは?」



 男は何も知らず問いかける。



 (死んじゃった。)



 少女は不気味に微笑み言う。
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