~終わり近き場所へ~

紅に包まれた部屋で


 それは迷路のように



 いちど入ったら抜け出せない



 そんな袋の中



 そこは開かずの間と呼ばれる部屋。



 誰一人近づこうとしない。



 ―カチッカチッカチ―



 ただ、時計の音が進むだけ。



 ―ガタッ―



 そんな中、時計のリズムが崩れた。



 そう。



 おもしろ半分で肝試しに来た者たち。



 「面白そうだよねぇー♪」



 女の子が二人と、男の子が三人。



 「か、帰ろうよ~」



 各自、いろいろ話しながら部屋へと進んでいく。



 ―ガタッ



 誰も音を立てていない。



 (ランラララランララン♪)



 耳に歌が流れ出す。



 「な、なに?」
< 9 / 11 >

この作品をシェア

pagetop