~終わり近き場所へ~
紅に包まれた部屋で
それは迷路のように
いちど入ったら抜け出せない
そんな袋の中
そこは開かずの間と呼ばれる部屋。
誰一人近づこうとしない。
―カチッカチッカチ―
ただ、時計の音が進むだけ。
―ガタッ―
そんな中、時計のリズムが崩れた。
そう。
おもしろ半分で肝試しに来た者たち。
「面白そうだよねぇー♪」
女の子が二人と、男の子が三人。
「か、帰ろうよ~」
各自、いろいろ話しながら部屋へと進んでいく。
―ガタッ
誰も音を立てていない。
(ランラララランララン♪)
耳に歌が流れ出す。
「な、なに?」