夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく
世界に白い光が満ちる。

生まれたばかりの新鮮な光だ。


色とりどりに染まっていた雲たちが、一瞬、白と黄色に支配される。

そして、太陽が放つ光が全方向に放射状に広がっていく。

今にも神様が現れそうな空だ。


夜が明けて、朝が来る。

太陽が昇る。

新しい一日が始まる。


当たり前のことなのに、なぜだかひどく新鮮な気持ちになった。

私はこういうふうにしっかりと太陽が昇るのを見たことがなかった。


私は今、一日が生まれる瞬間を見ているのだ。

今まで生きてきて初めて、世界の誕生を見ているのだ。


新しい光が拡散して、空と地上の隅々までを照らし出す。

穏やかな水面に光が反射して、きらきらと輝いていた。

芝生についた無数の朝露の一つ一つが、朝陽を浴びて宝石のような煌めきを放つ。


あまりの荘厳な美しさに、私は呼吸をするのも、瞬きをするのも忘れてしまいそうだった。


しばらくすると、誕生の瞬間の爆発するように眩しい光は徐々に収束していき、空に色が戻ってきた。


高い空の青と、低い空の黄色。

混じり合う部分は、優しい黄緑色。


「青磁色」


私は空の真ん中あたりを指差して、言った。

青磁がふっと小さく笑って、「いい色だ」と満足げに頷いた。


「うん、綺麗」


生まれたばかりの世界を包み込むのにふさわしい、柔らかくて瑞々しくて、優しい色だ。


しばらくすると青磁色も消えて、目の前には薄い白の雲と、淡い水色の空がゆったりと広がっていた。


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