夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく
マスクに依存しなければ生きていけない、弱くて醜い自分。

そのせいで友達を傷つけてしまう、最低な自分。


青磁にだけは、知られたくなかったのに。


「………」


なにも言えず、涙でびしょ濡れになったマスクを目の下まで引き上げる。

泣き腫らしたみっともない顔を見られたくなかった。


青磁が、ちっ、と舌打ちをする。


「お前さあ……」


苛々したように近くの椅子に腰を下ろし、腕組みをして私を見上げた。


なにか嫌なことを言われる、と直感した。

いつだって正しいことを、でも深く胸を抉る残酷なことを、彼は容赦なく口にする。


でも、今、そんな言葉を吐かれたら、私はどうにかなってしまうと思った。

だから、彼がなにかを言う前に、私は「うるさい!」と叫んだ。


青磁が「ああ?」と不機嫌な声で言った。


顔があげられない。

自分の爪先を睨みつけて、ぎゅっと拳を握りしめて、私はさらに言葉を続けた。


「青磁には分からないよ! あんたみたいなやつには、私の気持ちなんて一生分からない! だから、ほっといて!!」

「……は? なに言ってんだよ」

「青磁はいいよね。夢中になれることがあって、才能があって、夢があって。好き勝手やってるのにみんなから好かれてて、見た目もよくて」

「………」

「なんにでも恵まれてて、悩みなんか一つもないでしょ? 思い通りにならないこと、一つもないでしょ? そんな幸せなやつに、私みたいな人間の気持ちが分かるわけないじゃない」


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