夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく







自己嫌悪の嵐だった。


沙耶香に対しても青磁に対しても、自分が最低なことをしてしまったと、分かりすぎるほどにわかっていた。


すぐにでも謝らなきゃ、と思っていたのに、

結局私は、午後の授業をうつむいたままやり過ごして、終礼が終わると同時に、逃げるように学校を出てしまった。


酷い顔をしているという自覚があったので、家に帰っても家族にさえ素顔を見られたくなくて、初めてマスクをつけたまま家に入った。

こっそりと玄関を開けたつもりだったのに、お母さんがすぐにリビングから顔を出した。


「おかえり、茜」

「……ただいま」

「あら、マスク? 風邪でも引いたの?」

「………」


どう答えればいいかを迷っていたら、お母さんが私の額に手を当てて首をかしげた。


「熱はなさそうだけど……顔色は悪いわね。今日は家のことはいいから、早く部屋に入って寝なさい」

「……うん」

「あとで薬とおかゆ持っていくから」

「いい。食欲ないから、おかゆもいらない。このまま寝るね」


なにか言いたそうなお母さんに背を向けて二階にのぼり、ドアを閉めて鍵をかけ、部屋にこもった。


ふとした瞬間に鏡にうつる自分の顔も見たくないので、一人きりの部屋でもマスクのまま、じっとベッドの上にうずくまっていた。


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