夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく
一時間もしないうちに日が落ちて、部屋は真っ暗になった。

それでも私は明かりもつけず、闇を睨みながら何時間も膝を抱えていた。


どうして私はこうなんだろう。


青磁に出会って、一緒に時間を過ごすようになって、

彼の自由さに憧れて影響されて、

私は変わったと思っていた。

変われたと思っていた。

息苦しい生き方しかできなかった自分から変われたと思っていた。


でも、違う。


私は相変わらずマスクを外せないし、

青磁以外と接するときには、人の顔色ばかりうかがって機嫌をとってしまう癖が治らないし、

結局、私は全然変われていない。


苦しくて、つらくて、涙が溢れてきて、ひとしきり泣いた。


そうして少し気持ちがおさまってきたとき、

青磁と沙耶香に謝罪のメールやラインを送ろうとスマホを手に取ったけれど、やっぱり直接顔を見て言うべきだろうと思い直して、やめた。


でもそれはただの言い訳だ。

実際は、私が悪かったというのを認めて、自分の痛いところをさらすのが嫌で、問題を先送りにしただけだった。



――このときの私には、すぐに行動を起こさなかったことを後に死ぬほど悔やむことになることは、知るよしもなかった。


< 234 / 300 >

この作品をシェア

pagetop