恋愛の始め方
「間宮先生、ホント無神経。あたしが彼女だったら耐えられない」


あなたも、いつからそこに居たのよ。

気付かないうちに、あたしの周り看護師たちが集まっていた。


「伊藤さん、大丈夫?」


これは、何の気遣いなわけ?


「大丈夫ですから」


一応、当たり障りのない返事を返す。


「無理しなくても良いんだよ?」

「あたし達、みんな伊藤さんの味方だから」

「そうそう。間宮先生も菅原先生も、正直嫌いだし」


勝手に同情しといて、話を進めないで欲しい。

それからも、勝手に話は進んでいく。

それは次第に、悪口へと変わっていった。

いつまで、この話は続くのだろうか?

急患も来なければ、急変もない平和な時間。

言い換えれば、暇な時間帯だ。

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