恋愛の始め方
「わかった。でも今回の件に代わった医師たちには、それ相応処分が必要だと思う。また、同じことが繰り返さないためにも」

「あぁ。今回のことをなかったするつもりには無いから、安心しろ」


あたしは、直哉の言葉に頷く。

これ以上、あたしが言う事は何もない。

だから、あたし達はどちらとものなく、この話を終わらせた。

あたしは、盛大に大きなため息をつく。


「久々の手術で、疲れただろ?」


勤務後に、久しぶりの手術。

疲れていないと言ったら、嘘になる。


「明日からうちの病院に来るわけだし、お袋とはいつでも会える。今日は、休めよ」


何も言っていないのに、あたしの顔色を見て、直哉は気を遣ってくれたのだろう。

今は、それに甘えよう。

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