恋愛の始め方
「ごめん。じゃ、そうする」

「あぁ」


あたしは疲れた身体と共に、その場を後にした。

着替えを済ませ、病院を出る。

そして家に着くなり、玄関で座り込む。

疲れているのは、本当だ。

それ以上に、あたしの心が悲鳴を上げていた。

間宮との関係が終わった日から、ずっと。

自然と、涙が頬を伝う。

時間は流れてくのに、あたしの心は間宮の居ない日々に慣れてはくれない。

いい年して、バカみたい。

そう思うのに、涙が止まらない。

明日から、あたしは間宮を見ることも出来ない。

自分で望んで、自分で決めた。

それなのに、時間を巻き戻したい。

そんな、愚かな望み抱いている。

無理だと、わかっているのに。

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