恋愛の始め方
解けない誤解
居酒屋に入り、いつも通り生を頼む。

そして運ばれて来た生を手に、グラスを交える。


「「お疲れ」」


互いに労いの言葉を掛け合い、グラスに口を付ける。

軽く世間話をしていると、ふと思い出したようにかなが話を変えた。


「来てないんだけど」

「何が?」

「招待状」


中々話が通じないあたしに、かなは少し苛立つ。

招待状と言われても、あたしはまだピンッとこず、首を傾げる。


「来月、結婚式するんでしょ!」


結婚式?

あぁ、直哉のことか!


「みたいだね」

「みたいって、あたしに来てないんだけど!大輔や侑吾にも招待状は来てないけどさぁ、堂島先生が直接2人に話したらしいよ!」


へぇ、そうなんだ。

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