恋愛の始め方
思い出には出来ない人
煩わしいアラームに起こされるわけでもなく、自然と目を覚ます。

時間は、7時47分。

なんとも中途半端な時間だが、早すぎることも、遅すぎることもない時間。

準備でも、始めよう。

午前中に引っ越し業者が来るから・・・

覚めない頭で、あたしは今日のスケジュールを立てた。

スローペースで体を動かし、準備をしていると、引っ越し業者がやって来た。

荷物らの説明をし、テキパキと仕事をこなす引っ越し業者たちに感心しながら、ボーっと眺める。

あっという間に荷物を片付け、会話をし、トラックと共に姿を消す。

空っぽになった部屋に、フッと自嘲的な笑みが零れた。

不動産屋に鍵を返して、あたしも行きますか!

自分の手荷物にギュッと力を込め、あたしも部屋を後にした。

< 313 / 404 >

この作品をシェア

pagetop