恋愛の始め方
『赤石さんのことを戻すのは、簡単だが・・・』

「後任は、早々見つからないよね」

『今すぐってのは、キツイな』


・・・だよね。

何となく、自分でもわかっていた。

医師1人、看護師1人、事務員1人の計3人。

少人数の為、それ相当な経験者で、尚且つ腕を持って居なければならない。

そんな人間を手放すのは、病院側からしたらマイナスだ。

それにそんな看護師が、好んでこんな田舎町に来るとも考え難い。


『とりあえず、いろんな科に当たってみるわ』

「お願い」

『あぁ。決まり次第、また連絡する』


そう言い、電話を終わらせた。

かなのことを考えると、ずっとこのまま残って貰うには申し訳ない。

だけど、このまま後任が見つからなければ良い。

そう思ってしまう自分が、どうしようもなく嫌になった。

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