恋愛の始め方
「で、いつから?」

『来月のシフト出来てるらしいから、再来月の一日からで良いんじゃねぇか?』

「わかった。かなには、あたしから話しておく」

『あぁ』


用件が終わり、いつもならそのまま電話を切るのだが、まだ話がありそうなのに、直哉は口を閉ざす。

だから、あたしから尋ねた。


「何かあった?」

『いや、そう言うわけじゃねぇんだが』


じゃ、なぜ電話を切らない。

何か、言いたいことがあるからじゃないの?

直哉の何とも言えない態度にイライラして来た時、やっと直哉が口を開いた。


『・・・大丈夫か?』


何が?


「どういう意味?」

『診療所を開院して、1年経つだろ?特に何も言ってこないが、無理してねぇか?」

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