恋愛の始め方
「志乃。医者には、2つの人間がいるんだよ」
「2つ?」
「あぁ。仕事として、患者だと割り切る者。そして同じ人間だと思い、患者の痛みに寄り添える者」
「どっちが良いわけ?」
「前者だろうな。上にも行けて、沢山の人を助けられる。だけど、俺は後者の医者を目指してる。だから、ここにいる」
お父さんは、元々大きな大学病院の医師だった。
そこで地位も名誉も手にし、誰もが病院のトップに立つ人間だと思っていた。
だが、お父さんはそれを全て手放した。
そして、小さな町の診療所を開いたのだ。
そんなお父さんについて行けず、お母さんとは離婚した。
4つ上にいる兄はお母さんの元に、あたしはお父さんの元に付いた。
「2つ?」
「あぁ。仕事として、患者だと割り切る者。そして同じ人間だと思い、患者の痛みに寄り添える者」
「どっちが良いわけ?」
「前者だろうな。上にも行けて、沢山の人を助けられる。だけど、俺は後者の医者を目指してる。だから、ここにいる」
お父さんは、元々大きな大学病院の医師だった。
そこで地位も名誉も手にし、誰もが病院のトップに立つ人間だと思っていた。
だが、お父さんはそれを全て手放した。
そして、小さな町の診療所を開いたのだ。
そんなお父さんについて行けず、お母さんとは離婚した。
4つ上にいる兄はお母さんの元に、あたしはお父さんの元に付いた。