星空の下キミと永遠に

1年前。

あの日の桜はお世辞にも綺麗とは言えなかったのを覚えている。

昨年より気温が高くて、入学式まで桜はもたなかった。
若葉色の葉が少し顔を出した春。

空は透き通るぐらい青かった。

隣で友達と笑顔で写真を撮るあの子も。

家族で照れ臭そうに写真を撮るあの子も。

皆、きっと心はこんな空の色なんだろう。

だけど、今の私の心は。

黒い雲がかかった土砂降りの雨だ。

綺麗な空気に押しつぶされそうになって、私は一足先に体育館へ入った。





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