雨の恋〜たった一つの傘〜【短編】
黒い傘
黒い傘…
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「うっわぁ〜…何この雨…」
お母さんから頼まれた醤油が入ってるビニール袋を握り締めながら
空を見上げた。
見事にあたしの目の前は、雨で出来たみずたまりがあった。
…最悪じゃん。傘持ってないよぉ!
あたしは、傘を買うお金を財布から探すが、5円しか入ってなかった。
あぁ〜そう言えば…昨日使っちゃったんだっけ?
「…最悪〜」
なんでお母さん雨降ること言ってくれなかったのよ。
あたしは、仕方なく雨が止むのを待つことにした。
その時…
明らか仕事帰りのスーツを着た人があたしの前に立っていた。
「俺の傘…使う?」
ゆっくりと顔を上げて目の前にいる彼を見上げる。
彼は、とてもかっこよくてあたしはあっというまに彼に惚れてしまった。
一目惚れってヤツ?