雨の恋〜たった一つの傘〜【短編】
「えっ?で、でも……」
「いいよ。別に、どうせ中に寄ってくし。」
そう言って彼は、あたしの後ろにあるスーパーを指差した。
「それに、キミ…早く帰らないとダメでしょ?」
にっこり笑う貴方にキュンとしてしまった。
貴方は、初めて会った時から優しかったよね?
こんなあたしに傘を貸してくれて…
「……ね?だから、あげる。この傘…」
「あ、ありがとうございます。。」
あたしは、ゆっくり彼の傘を受け取る。
「早く帰れよ?んじゃぁな?」
ポン
彼は、優しくあたしの頭に手を乗せた。
「…はい。」
「…また、会えたらいいな?…キミに。」
少し頬を染めて貴方がそう言った。
その時は、あまりにも嬉しすぎて気にしてなかった…