雨の恋〜たった一つの傘〜【短編】
でも、また会えるなんて…
考えてもなかったよ?
――――――
ザァァァァーーー
「うわーヤバイよーこの雨。」
「うん。そうだね。」
あの日と同じ…
「あんた、またその黒い傘持ってんの?」
あたしが持っているあの傘を指差しながら友達がそう言った。
「へ?…別にいいじゃん…あたしの勝手でしょ?」
そう言いながら傘をひろげた。
「ふ〜ん…でも、その傘くれた人のことよく好きでいられるよね?」
「…だって…一目惚れだったんだもん…」
もう会えないってわかってるけど…会えるって思っちゃうって
誰でも思うでしょ?
それって、あたしだけ?
友達といつも通りにくだらない話しをしながら帰って行く…
すると、
あのスーパーの前を通る時に…
あの彼が空を見上げながら立っていた。