雨の恋〜たった一つの傘〜【短編】
雨の恋
「……あ。キミは…」
彼は、スーツじゃなくて私服姿で立っていた。
「…傘なかったらこれ使って下さい!!」
そして、あの時と同じ黒い傘を彼に差し出す。
「これ、俺のじゃん?」
彼は、笑いながら黒い傘を受け取った。
「いいんです!!いつか、返すって決めてましたから。」
「…別に返さなくても良かったのに。でも、初めて傘に感謝したよ。」
彼は、あたしを見下ろしながらそう言った。
「えっ……?なんでですか?」
「それは…………
“またキミに会えたから”」
その言葉に顔を赤く染めるあたしに彼は、
「ん?顔真っ赤だよ?…もしかして…嬉しい?」
「見ないで下さい!///…それと……あたし…「ちょっと待て。その続きは、俺に言わせろ。」
あたし…貴方が好きって言おうとしたのに……
なんで… なんで…
「一目惚れだった。…好きだよ?」
なんでとるの?
それに…あたしより真っ赤だし…
バカ