どん底女と救世主。
鬼の戯れに惑わされて。
あの日から、意識し過ぎて課長をまともに直視さえできない状態に陥ってしまった私。
一方、あんなとんでもない発言をしたはずの課長は、なにもなかったみたいに今までと変わらない態度だ。
本当に、なにを考えてるのか分からない。なんであんなこと言ったんだろう。
あれ、もしかして本当に夢だった?そう、思えたらいいのに。
私の頭の中では、あの日の課長の台詞が何回も何十回もリフレインされて。
ーーー『お前に会いたくて戻ってきたって言ったら信じるか?』
そんなわけないのに。私をからかってるだけなんだって、そう思うのに。
なんで、思い出すだけでこんなに鼓動が高鳴るの。
大体あの台詞、破壊力があり過ぎる。また課長の容姿も手伝って、防ぎきれるわけがなかった。
冗談でも多用したらダメですよ、課長。特に私みたいな今圧倒的に糖分の足りてない女は一発KOだ。
これは昔も今もだけど、課長って結構罪作りだよね、なんて考えていると、