どん底女と救世主。



確かに営業マン達のサポートが私の仕事。頼まれたことをこなすのは当たり前。
だけど、やっぱりお礼を言われると頑張ろうと思える。


今抱えてる仕事も考えつつ、優先順位を決めていると、まだ私の横に中田君の姿が。


「どうしたの?」


何だかさっきの私状態だ。


「いや、冴島さんっていつも深山課長の無茶振りにも瞬時に対応しててすごいなーって」

「あー、私新人のとき深山課長が指導係だったの。だから慣れてるのかな」

「え、そうなんですか?」


目を丸くする中田君。知らなかったのか。


「当時から深山課長って…」

「うん。厳しかったよ」

「うわ、俺だったら耐え切れないかもしれません」


あー、中田君には耐えられないだろうな。


「冴島は随分扱かれてたからなー」


後ろのデスクから椅子ごとこちらに近づいて、話に入ってきたのは中田君の指導係である濱下さん。


当時は営業2課だった濱下さんに言われるなんて…。



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