どん底女と救世主。



一度車をマンションの駐車場に停め、やって来たのは近くのラーメン屋さん。


引っ越してきたときから、このお店が気になっていたという課長は、入り口に書かれてあった営業時間を見て『深夜2時までか』となんだか嬉しそう。

さっそくお気に召したご様子だ。


年季の入った店内に入り、課長に続いてカウンター席へと座ると、店中に貼られたメニューに目が止まった。

うわ、メニュー多いな。どれにしよう、これだけあると迷ってしまう。

スープはとんこつがメインみたいだけど、塩、味噌、鶏ガラや担々麺まである。

トッピングも色々あって、早々には選びきれない。



「俺は味玉チャーシュー。お前は?」

「え、もう決まったんですか?ちょっと待ってくださいよ」


そんな私とは違いもう決まってしまったらしい課長は、ビールを飲むか考えてるようだ。


課長、決めるのが早過ぎ…。さすが、この若さで課長職にまで出世した男。決断力が違うな。


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