どん底女と救世主。
思ってもなかった返しに、飲んでいたスープが器官に入りかけ、むせた。
高級料理屋さんと、私の作る至って普通のお弁当。この2つを比べて、なにをどうしたらそういう言葉が出て来るの。
課長の真っ直ぐな目を伺うように見ると、どうもからかってるようにも、お世辞を言ってるようにも見えない。
どうやら本気で言ってるらしい…。
それが分かると余計に嬉しいやら恥ずかしいやら身にあまるやらで、顔に熱が集中してくる。
ただ単に課長は、そんな肩肘張らなければならない食事より、なれ親しみつつある私の普通のお弁当の方が落ち着くという意味で言ってるだけなんだろうけど…。
どうにも都合のいい方に捉えてしまう自分が居る。
そんな考えを振り切るように話を変えた。