どん底女と救世主。
待つのが正しいのか、寝ていたほうがいいのか。
彼女でもないのに、課長の帰りを待ってるのはおかしいかもしれない。
リビングで待ち構えて、『おかえりなさい』なんて、彼女気取りも甚だしい。
でも、居候の分際で先に寝てるのもなんだかな。
課長は先に寝てろって言ってくれるけれど、申し訳なくて毎回待ってしまうんだよね。
自分の部屋で仕事をして、課長が帰ってきたら、
『あれ?もうこんな時間なんですね。仕事してたらあっという間で。課長もお疲れさまです』
と白々しく言う手もあるけど、課長に借りてる私の部屋に書類が広げられるような机はないし。
貸してもらっている部屋は、ほんとうに余っていたらしく何ひとつ物が置いていない空き部屋だった。
そこに、ディスカウントショップで買ってきた急ごしらえの安い布団と未だにダンボールに入っている特に使わない雑貨がひしめき合っているのが今の私の部屋だ。