どん底女と救世主。
「遅くまでお疲れ様でした」
「ああ、お疲れ」
ビールと酎ハイをかつんとぶつけると、お互いにアルコールを煽る。
私は課長の買ってきたプリン、課長は作り置きしておいたきんぴらこぼうがおつまみだ。
作り置きしておいて良かったな。でも、どうせならもっとおつまみらしいものがあったら良かったのに。
今後の課題だな。
ひとり反省しながらプリンをつつく。
うん、美味しい。少し固めのプリンは私好みだ。
こんな夜中にプリンなんて太ることは確定だけど、そんなの気にならないくらい今は、なんだか幸せな気分でいっぱいで。
「うまいか?」
「はい!」
そうか、と満足そうにビールを口に含む課長の横顔は見惚れるほど優しげで。