どん底女と救世主。


私なんて、小山さんの何倍だって課長と話しをしているのに。
女子社員の中では、一番深山課長と話しているような気さえするって言うのに。

なのに、私は一度だって噂に上ったことなんてない。


たしかに小山さんは美人で色気があって、同じくイケメンで色気溢れる課長の隣に居るとすごく絵になる。

だから皆、そんな光景を見て噂を流してしまうんだろうけど。


私がいくら課長の隣にいても、いくら課長と話しをしていても絵になんてならなくて。
一つもお似合いなんかじゃない。

だから、噂なんて流されない。

その事実が、胸をもやもやと苦しめる。


なんでだろう。

別にこんなこと気にするようなことじゃない。むしろ、変な噂にならなくて喜ぶとこなのに。


なんでこんなにもやもやしてるんだろう。


そんなことを考えていると、いつの間にかお弁当を食べ終わっていた私。

時計を見ると、午後の仕事が始まるまであと15分程度。


しまった、休憩時間終わっちゃう。



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