どん底女と救世主。
課長、明らかに怒ってた…。
なんで、あんなに怒ってたんだろう。
私、課長を怒らせるようなことした?
居候の分際で合コンなんて行こうとしてたから?
あぁ、きっとそれだ。そうだよね、そんなことしてる場合か!って感じだよね。
課長が怒るのにも納得だ。
もしくは…。嫉妬、とか?
いやいや、それこそないか。私が合コンに行くくらいで、あの課長が妬いたりするなんて。
ないない。あるわけないじゃん。
うん、ないよね。ないのか…。
忙しなく色んな感情が飛び交う私の心の中。
あれ、私今ショック受けてなかった?
「自分の気持ちさえ分からなくなってきた…」
ほとんどため息に近いような声で吐き出した胸の内は、隣にさえ聞こえないうちに課内の喧騒に打ち消された。
抱えていた頭をあげると、PC画面にはおびただしい改行の数。
どうやらエンターキーを押したままにぼーっとしてたらしい。
もう一度ちらりと課長を見ると、いつもと変わらず仕事を進めている。
相変わらず何を考えているのか分からない。
けど。
どちらにしても、課長の機嫌を損ねた事実に変わりはなくて。
ああ、家に帰りたくないな…。