どん底女と救世主。
特別な1日。
今日、本当にどこかでかけるのかな。
いつもよりなぜか早く起きてしまった土曜日の朝。
朝食の準備をしながら考えるのは、やっぱり昨日の課長の台詞だ。
課長と暮らし始めてしばらく経つけど、お休みの日は大概課長が仕事をしていたり、どっちかの用事があったり、ふたりとも家に居ることもあったけどお互い好きに過ごしていた。
ふたりで出掛けるなんて一度もなかった。
お米とか重いものを買うときに車を出して貰ったことはあったけど、今回はそれとはちょっと違う気もするし…。
悶々としつつ味噌を溶かしていると課長が起きてきた。
まだ8時前だ。仕事がない日くらいゆっくり寝ればいいのにな。
そう思うけど、働き者の課長は顔を洗うとすぐに新聞を取ってきてソファで経済新聞を読み始めた。
やっぱり今日も仕事するんじゃないかな。昨日のあれはもしかしたら夢だったのかも。