どん底女と救世主。
なんて思ってたら、
「行きたいところはあるか?」
朝ごはんを食べていると、課長がふいに聞いてくる。
あ、夢じゃなかったんだ…。
「特にはないです」
「そうか」
それだけ言うと、お味噌汁をすすり始める課長。
やっぱりどこかに出掛けるんだ…。
同じくお味噌汁をすすりながら、課長の言葉をぼんやり聞いていた。
休日にふたりでどこかにお出掛けなんて…。デート、みたいだ…。
いやいやいや。まだどこに行くか決まってないし。
課長のことだから、もしかしたら会社とか行っちゃうかもしれないし。暇ならお前も手伝えとか言って。
そんなの全然デートじゃないから…!
そもそも居候の私とどこに出掛けようとデートなんかじゃない。
あれ、デートの定義ってなんだっけ?
もう頭の中がこんがらがってる。
でも、今はこんなこと考えてる暇はない。課長は朝食を終えると、1時間後に出発と言った。