どん底女と救世主。

正直、面倒くさい。

でも、出欠確認の紙に出席を丸して回したからな。


「行くよ。中田君、幹事だっけ?」

「そうなんですよ」

「大変だね」


今日の忘年会は、一課だけではなく営業部全体の忘年会だ。

私も2年目のときに幹事やらされたからその大変さはよく分かる。

しかも、今年の忘年会はサービス部門も合同だったはず。


「本当にサービス部門の人たちも来るの?」

「時期が時期だけに、ほとんどのスタッフが欠席ですね。上の人達が何人か参加することになってます」

「そうだよね」


年末のこの時期。

クリスマスも近いとあって、ホテル業界は年始まで稼ぎどきだ。

宿泊客もかなり増えるし、宴会だってびっちりと予約が入ってる。


サービススタッフは血反吐を吐くくらい忙しい、って勝が前に言っていた。

それなのに、忘年会って…。

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