どん底女と救世主。
鬼上司、帰還。



かつての営業一課のエース、深山 潤(みやま じゅん)。たしか今年で34歳。


見た目は俳優かと思うくらいの男前で、スタイルも良く、その上仕事ができるもんだから昔から社内での人気は当然高く。


3年前に名古屋営業所に転勤が決まったときなんか、泣き喚く女子社員が後を絶たなかったくらい。


業績不振が続いていた名古屋営業所に転勤になってからも、彼の仕事ぶりは耳に入っていて、今では『名古屋営業所の経営危機を救った救世主』だとも言われているらしい。


そんな女子ならば誰もが憧れるような深山 潤に私は微塵も興味がない。

というよりも、出来れば関わり合いたくない。


彼は、私の新人時代の教育係だ。

始めはこんなイケメンが教育係なんてと浮かれた私も、1日でその考えを改めた。


仕事のこととなると、自分にも他人にも容赦がない。

彼は、仕事の鬼だ。


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