どん底女と救世主。
「ごめん。私、勝とやり直す気なんてないの。どれだけ信じて欲しいって言われても無理。
実際、希ちゃんと勝が浮気してるところ目の前で見たんだよ、私。
勝の顔見ると、今でもあのときのこと思い出しちゃうの。鮮明に。
信じるなんて無理だよ」
ゆっくり、はっきりとなるべく落ち着いて。
捲し立てたくなる気持ちを抑えながらそう言ったのに、
「あのときのことは、本当に悪かったって」
勝はまだ引き下がらない。
その強情さが楽しかった記憶さえ塗り潰していく。
結局、勝は私のことなんて何も考えてくれてなんかないんだ。
こんなに必死で思いの丈をぶつけても、分かろうともしてくれない。
それどころか、
「俺たち2年も付き合ってたんだぞ。1回の浮気で、やり直すチャンスさえもくれないのか?」