どん底女と救世主。
鬼上司は救世主。
「え?出張?」
「はい、急遽名古屋に呼ばれたらしくて。結構大きなトラブルっぽくて2、3日は
戻れないかもって」
2、3日か…。
月曜日。覚悟を決めて出社したけれど、そこに深山課長の姿はなかった。
中田君に聞いてみると、課長は名古屋に急遽出張になったらしい。
うーん…。気合い入れてきたのに出鼻挫かれたな。
「昨日から行ってるみたいですけど、課長も大変ですよね。
あれ冴島さん、課長が居ないと困る案件抱えてましたっけ?」
「ううん、ないけど」
「ですよね。ちなみに、課長あっちでもこっちの仕事やるって」
うわ、大変だ。課長、身体大丈夫かな。
「あ!深山課長が、今進行中のファイルをメールで冴島さんに送って欲しいって言ってました 」
思い出したらしく大きな声で言う中田君。
中田君、それは早く言おうね…。
多分一番に欲しかったはずだ。急いで送らないと。